生活習慣病CKD透析回避プラザ|生活習慣病、慢性腎臓病(CKD)、慢性腎不全、人工透析、血液浄化療法等について情報を発信しています。生活習慣病を改善し、腎臓病を減らし、透析を回避することを目指しています。様々に手を尽くしても透析療法を始めた方には健康で長生き、自立し、自分で歩けるが目標です。

もう私も60歳を過ぎた!!

 

 最近、眠りに就きにくい、ぐっすり眠れない、だるい、意欲的になれない

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物忘れがひどい、人の名前が思い出せない、何度も同じ質問をしてしまうらしい

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早足で歩けない、夜中に床の中で足がつって痛い

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目まいを感じることがある

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脂肪ばかりついて筋肉が少なくなった気がする

           

 

顔の皮膚に張りがなくなった

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血圧が安定しない

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後ろ頭・頸・肩・腰・膝が痛い、ふくらはぎが痛い、足が痛い、かかとが痛む   

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風邪を引きやすいなど

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もう私も60歳を過ぎた!! 歳のせいかなと思うことがある

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こんな症状はありませんか?

そんなあなたはカルニチンが不足しているかもしれません。

 

 カルニチンは実は特別なものではありません。私達だけでなく、全ての生物がもっているアミノ酸の一種です。

リジンとメチオニンというアミノ酸から出来ています。

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カルニチンはたった2つのアミノ酸から成り立っていますがその働きは特別です。何故なら、生命を維持し、身体のあらゆる機能を継続的に働かすために必要なエネルギーを作るアミノ酸です。 そしてエネルギー生成工場の環境を適正化したり、その工場が適切に稼働するよう細かく気配りをしたりするアミノ酸です。

 その働き場所はヒトの場合は流血中の赤血球を除く全ての細胞、60兆個の細胞が持っているミトコンドリアです。ミトコンドリアは30数億年前に我々の身体に入り込んできた我々とは異なる生物で、我々とは共生関係にあるのです。そのお陰で、我々は生きて、それを後世につなげることが出来ているのです。

 ミトコンドリアの機嫌を損ねないように、カルニチンを補充することが病気予防、病気の重症化予防には不可欠であるのはこのためです。

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生命を動かし続けたり、身体のあらゆる機能を継続的に働かすために必要なエネルギーを作るアミノ酸、

それがカルニチン!!

 このアミノ酸は勿論、食物を食べても補えますが、とても大切なので、自分でも作ることが出来ます。

カルニチンの身体の中での役割をまとめると

1.既に述べてきたように、細胞のミトコンドリア工場で効率よく脂肪酸からエネルギー(ATP)を作ります。グルコース(糖質)の3~4倍ものATPを作ります。

2.ビタミンE、ビタミンC、グルタチオンは細胞内に発生した錆の原因である活性酸素、フリーラジカルを高効率で消去することで有名ですが、カルニチンはこれらと同じぐらいか、それ以上の高効率で活性酸素、フリーラジカルを消去します。

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3.毒性の強いアンモニアやアシル化脂肪酸がミトコンドリアに溜まるのを防ぎます。すなわち解毒作用を発揮します。

4.血管内皮細胞に働いて、血管を広げさせることが出来る物質(窒化酸素)の合成を高め、血管を広げます。このことが動脈硬化抑制に繋がります。

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5.カルニチンは赤血球膜を裏側から支える成分の一つになっています。これにより赤血球それ自体の寿命を90日前後に維持することができます。

6.抗炎症作用、免疫抵抗力を高める作用があります。

7.脳ではカルニチンの代謝物であるアセチルカルニチンが情報伝達物質として働きます。

8.筋肉では疲労物質である乳酸の蓄積に代えて、アセチルカルニチンを増やすATP合成回路に向かわせます。運動能力を高めることに繋がります。

9.肝、腎では蛋白合成を高めます。その結果、例えば、血清アルブミンを上昇させます。

10.カルニチン転移酵素(トランスフェラーゼ)は全身に存在しています。腎糸球体に続く腎尿細管では特に高度に発達し、腎糸球体で濾過されても、身体にとって必要なカルニチンを再吸収(尿から身体に回収)するという大切な働きをしています。

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カルニチンは何処でつくられるか

カルニチンは食事によって補うことが出来ます。同時に、自分自身の体内で作ることが出来ます。しかし、作る場所は腎臓、肝臓、脳と限られています。

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作られたり、食事から補われたりしたカルニチンで、少し余剰のカルニチンは筋肉、心臓、赤血球に蓄えられます。カルニチンは、筋肉、心臓はそれぞれの細胞内に存在しますが、赤血球の場合は膜の裏側の成分として、通常は円形でも血管の形によっては如何様にも変形させて、血管内を壊れることなく流れるという柔軟な構造の元になっています。

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問題は60歳を過ぎたあなたです。カルニチンを作ってくれているはずの腎臓がいつの間にか作る力が減退している可能性があるのです。腎臓病やがん予防のために蛋白制限をしている方は食べて補っているはずのカルニチンにとっても不本意ながら制限してしまっている可能性があるのです。おまけに仮に沢山食べても加齢とともに腸内細菌が多くなっていますから、食べたカルニチンには腸内細菌に食べられ、あなたの体内に吸収されるカルニチンはわずかになっている筈です。

カルニチンの身体のなかでの動き

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60歳を過ぎたあなたはカルニチンを作る力が減退!!

それではどうするか?

 なんとかして補うしかありません。

 羊の肉には沢山、含まれています。しかし、我々日本人、特に北海道以外では羊の肉は余り売られていません。サプリメントとして飲むのがお手軽です。カルニチンは腎尿細管、幹細胞、骨格筋細胞、心筋細胞などほぼ全身の細胞に発現しているOCTN2(カルニチン機カチオントランスポータ)という通路を通って細胞内に入ります。食べたカルニチンが体内に入る時は小腸にあるOCTN2を取らないといけません。OCTN2の勢いが低下していたり、大腸菌がふえるなど腸内細菌叢が乱れていたりすると、腸内細菌に食べられてしまって、腸内細菌が折角のカルニチンをトリメチルアミンという動脈硬化促進物質に変えられてしまうという危険を伴うのです。

 経口でカルニチンを補充する場合は便通が整っているか、毎日“バナナ糞”がでているかなどに注意し、腸管からの吸収が十分かなどについても気にかけてください。

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カルニチンは静脈注射で補うのが最善!!

 カルニチンは静脈注射で補えば、トリメチルアミンという動脈硬化促進物質のことは気にしなくてよくなります。カルニチンそのものが持つ抗動脈効果作用を発揮させることができるので、いわば抗加齢作用を期待することが出来ます。

さて、静脈注射製剤ですが、平成25年7月までは日本にあって、ごく一部にしかありませんでした。それが平成2510月からは私達のところでご希望の方に提供できるようになりました。 それも防腐剤の含まれていないL体という身体もっているものと同じカルニチンをご提供出来るようになりました。   

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私達のところではL体という身体がもっているものと同じ構造で、防腐剤を含んでいないカルニチンを準備しています。

その名はエルカルチン!!

 

 カルニチンには副作用らしい副作用は無いと考えています。過度に摂取すると筋肉質になってしまうかもしれないとか、食欲増進作用があので、痩身願望のある人は注意すべきという見方もあります。これらとても、筋肉質になりたくない人は食欲亢進に気付いたら、過剰使用を控えればよいのです。

但し、補充したカルニチンを筋肉内に行き渡らすためにはカルニチンを輸送するために船のような蛋白質が必要です。この蛋白質は運動刺激で活性化されますので、痩身のための使用には必ず体操、早足歩行など、運動刺激も合わせてご自分の身体に加えてください。

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特筆すべき副作用報告がないのがカルニチン

その一方で凄い力を発揮するのがカルニチン

 生物はエネルギ-なしに動いたり、生命を存続させたりすることはできません。エネルギ-とは自動車や電車の場合はガソリンであったり、電気であったりしますが、生物はATP(アデノシン3リン酸)という物質がこれらに相当します。ヒトも例外ではありません。しかも、ヒトの場合はなんと自分の体重の1.5~2倍のATPを作り、ほぼ同時に消費して、生命活動を継続させているのです。体重60kgのヒトなら約100kgATPを作り、使いきっているのです。逆に言えば、それだけないと、生命活動を継続させることはできません。そのため、カルニチンは自ら作ったり、外から食べて、取り入れたり、蓄えたり、再利用したりと多様な方法で、体内で貯えられているのです。

 

《よくある質問》

カルニチンは健康保険でも使用が認められていますが、どのような場合ですか?

 対象疾患は一言で言えば、カルニチン欠乏症ですが、保険診療ではもっと細かく決められていて、腎臓病におけるカルニチン欠乏症も使用可能疾患にあげられていますが、血中のカルニチン濃度を測定して欠乏を証明しないといけません。血中のカルニチン濃度の測定は健康保険では認められていないので、実際には腎臓関係で保険診療の対象になるのは透析患者さんだけになります。但し、腎臓病患者におけるカルニチンの必要性が唱われているのは間違いないことと捉えてよいと思います。

 

効能・効果 カルニチン欠乏症《効能・効果に関連する使用上の注意》

(1)本剤は、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合にのみ投与すること。

(2)本剤の投与に際しては、原則として、カルニチン欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患を特定すること。

 

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使用量はどれ位まで認められていますか?

 下記の表にあるように経口剤は1日1.83.6gです。いかに安全性が高いかが分かります。また、注射製剤は透析患者さんの場合は1日1g(0.2g/体重kg)だけに限定されていますが、それ以外は体重kg当たり、300mgまで使用できます。これらからも安全性の高さが読み取れます。

 

用法・用量 通常、成人に、レボカルニチン塩化物として、1日1.8~3.6gを3回に分割経口投与する.なお、患者の状態に応じて適宜増減する.通常、小児には、レボカルニチニン塩化物として、1日体重1kgあたり30~20mgを3回に分割経口投与する. なお、患者の状態に応じて適宜増減する.

《用法・用量に関連する使用上の注意》

(1)本剤の投与に際しては、低用量から投与を開始し、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度及び定期的な臨床検査、バイタルルサイン、カルニチンの欠乏状態等から投与量を総合的に判断すること。また、増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないこと。

(2)血液透析患者への本剤の投与に際しては、高用量を長期間投与することは避け、本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。また、血液透析日に透析終了後に投与すること。

(3)小児への投与に際しては、原則として、成人用量を超えないことが望ましい。

 

 

実際にはどのような使い方をしますか

 状態に因りますが、一般的には初めは週1回、1回1~2gで、月4回を勧めています。

その後は目標とする効果に応じて、様々な選択肢が考えられますの、お一人お一人と相談して決めることになります。